言語情報ブログ 語学教育を考える

浅野式現代でたらめ用語辞典(再開その32)(ココマイスター)

Posted on 2014年4月23日

日本人の職人芸による皮製品の商標として有名だが、庶民の一部の反応は?

 

耳の遠い、知ったかぶり老人:何?ここが埋蔵金だって?とうとう出たか、徳川の埋蔵金が。違う?マイスター?俺も若い頃は、好きな銀幕の女性がおったな。田中絹代とか水戸光子とか。

 

中学生ギャル:お父ちゃんが高いココマイスターの財布を買ったからって、お母ちゃんが怒っている。お父ちゃんは、「高くなんかないさ。お前なんかよりよっぽど長持ちするんだからな」と言ったので、大喧嘩になったよ。お母ちゃんは晩ご飯を作ってくれるか心配だよ。

 

真面目女子大生:日本人の職人芸というのは伝統があって腕は確かなのですから、国がもっと保護して輸出すればいいのにと思います。日本の女性も外国製のブランドものにばかり憧れないで、もっと物を見る目を養うべきです。どうせ使わないで、質屋さんへ売りに行くのですから。(この回終り)

浅野式現代でたらめ用語辞典(再開その31)(理化学研究所)

Posted on 2014年4月8日

理化学研究所の小保方晴子とかいう研究者がSTAP細胞を簡単に作れる方法を発見したということで、大騒ぎになっています。

 

耳の遠い、知ったかぶり老人:何?理科の研究書?俺だって若い頃は理科の教員だったぞ。違う?研究所?理科教員の研究は進歩しておらんようじゃな。

 

中学生ギャル:うちの母ちゃん小保方晴子さんのファンなんだよ。「若いのに偉い研究をしているよ。美人だしさ、私も新しいかっぽう着を買って会いに行きたいよ」だってさ。そのくせ、“捏造”の意味も知らないんだ。

 

真面目女子大生:理化学研究所って、何でしょうね?STAP細胞の有無についても賛否両論あるようですし、三千人も関係者がいる巨大組織に自浄能力など期待できないと思います。小保方さんだけの責任にして、“トカゲのしっぽ切り”で終わるようです。日本のマスコミは権威ある科学誌としているようですが、“NATURE”だって、掲載論文の半分は実証出来ないのだそうです。私たち理科系の学生は今後何を信じて勉強したらいいのでしょうか。(この回終り)

浅野式現代でたらめ用語辞典(再開その30)(ビットコイン)

Posted on 2014年3月20日

仮想の金銭の取引なので、以前から危ぶむ声が聞かれましたが、ついに、取引所が破綻する事態になりました。

 

知ったかぶり老人:何?ピットコインか?ピット(pit)には“落とし穴”という意味もあるな。危険なもんじゃよ。え?“ビットコイン”?ビット(bit)は“少量”だ。うまい話には少額でも乗らんことだな。

 

中学生ギャル:うちの母ちゃん、「ビットマネーで儲けておけばよかった」なんて言ってるよ。ケータイ電話さえまごまごするのにさ。「仮想のお金だよ」って教えても、「“欽チャンの仮装大賞”にそんなのあったかね」なんて言っている。

 

真面目女子大生:ネット上で自由に取引出来たので、とても人気がありました。でも、3月1日頃には、「取引所が破綻」と大きく報じられて、「ビットコインは通貨ではなく、“もの”として扱う」と政府も言明したので、大騒ぎになりました。でも、インターネットを法律が追いかけるようでは、被害者は尽きないでしょうね。(この回終り)

浅野式現代でたらめ用語辞典(再開その29)

Posted on 2014年2月26日

「一期一会」は、16世紀頃に、茶道から生まれた古い言葉ですが、最近もよく使われます。それだけに、あまり意味を考えずに、自己流に使う人も少なくないようです。

 

知ったかぶり老人:“イチゴイチエ”(苺一枝)か?それはな、苺というものは、ヒトエダ(一枝)に1つしか実がつかんな。そのことを表した言葉じゃよ。うまい苺を食いたいなあ!

 

中学生ギャル:今度の校内マラソンでは、1位になってみせるよ。ずいぶん練習もしたからね。母ちゃんは私のことバカにして、「お前なんか1位になれっこないよ。それよりもっと勉強しなさい」なんて言うんだ。私は来年卒業だし、最後のチャンス、イチゴイチエだから頑張るよ。

 

真面目女子大生:言葉というものは、普及するほどに誤用も多くなりますから用心する必要があります。茶道の利休の弟子が、“一生に一度の機会”という意味で使った言葉とされています。ですから、上の中学生の遣い方も間違いではないでしょう。ただし、学校ではこの言葉の由来や正しい意味を教えて欲しいと思います。ちなみに、NHK ラジオの「深夜便」では、歌手の田川寿美が、2月の歌として「一期一会」という歌を歌っています。(この回終り)

浅野式現代でたらめ用語辞典(再開その28)

Posted on 2014年2月4日

「フラッシュバック」広辞苑にも載っている用語ですが、心理的な働きに関係する複雑で重要な用語です。庶民の遣い方は?

 

知ったかぶり老人:わしだって、“フラッシュバック”のことくらい知っているぞ。写真を撮る時に光るやつだろう?年を取るとハゲ頭が光るな。うしろが光るやつを言うんだよ。

 

中学生ギャル:少し前に父ちゃんと母ちゃんとが大げんかして、離婚するなんて言い出した。その時のことが、私にはトラウマになって、勉強に集中出来ない。母ちゃんは、「お前この頃成績が下がったね。もっと頑張りなよ」なんて平気で言うんだ。

 

真面目男子大学生:“フラッシュバック”は、よく使われる用語ですが、実際に、特定の個人にあてはめて考えるのは難しい問題です。ギリシャ語起源の“トラウマ”(trauma)も心理的な現象ですから、上の女子中学生のように、悪い思い出が勉強に集中できなくするような現象はよくあることです。東日本大震災の復興もこうした被害者の心理まで考慮すべきです。安倍首相のように、「放射能は安全にコントロールされている」などという単純な考え方では真の復興などまだまだ先のことと言わざるを得ません。(この回終り)