言語情報ブログ 語学教育を考える

(10)論文を書き始める(『湯川秀樹日記』を読む ― ノーベル賞論文の発表と執筆の頃)

Posted on 2009年12月21日

*11月1日 日記では言及されていないが,この日手書きで英文論文を書き始める。いつも遅れ遅れの湯川にしてはすばやい開始である。妻の「早く論文を書いて」といった願い,主任教授からの「まだ論文が1遍もないではないか」といったお叱り,先を越されてしまっては,との恐れなどが作用したのであろう。

*11月5日 「午後4時より,浅田さんところの談話会。小生,沢田両氏。」
聞いてくれる人がある限り話す,といった態度のようだ。当時原子核内の粒子の力関係について,よくわかる人は仁科芳雄,朝永振一郎,坂田昌一ぐらいしかいなかったのではないかと思われるが,何かコメントを求めて,あるいは自身の論理を確認していたのかも知れない。
(村田 年)

Comments (0) Trackbacks (0)

Sorry, the comment form is closed at this time.

Trackbacks are disabled.