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自律的学習のすすめ(湯川秀樹の日本語力)

Posted on 2010年1月22日

 他律的な理由づけで勉強するのももっともで,仕方がない。親にうるさく言われて,試験があるから,就職のために,などといった理由で勉強するのもよいが,「いろいろな物事への疑問」「いろんなことを知りたい」という自律的な意識で勉強してほしいと,湯川は若い人たちに特に望んでいる。これが「集中力」「持続力」を生むという。何度も何度も考え続ければ,おもしろい発見につながったり,自らの内的世界の形成に役立つと考えている。

これはすぐに理解できることであるが,湯川は「創造性」を特に尊重し,「創造性の発現(発揮)」ということばをたいへんよく使っている。もっと長生きをされて,中学生や高校生にこの創造性について親しく話したかったことであろうと推察する。

●今回はいろいろな資料を読んだが,特に,山崎國紀『思索する湯川秀樹』世界思想社.2009.を参考にさせていただいた。記して感謝したい。
(村田 年)

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