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進行形も両義的

Posted on 2010年10月12日

  (12)Joseph is writing a dissertation.において、(現在)進行形が両義的です。まず、進行形の名前の通り、現在分詞~ing習得率の高さからも、Aの<進行>は、比較的容易に解釈可能ではないでしょうか。
A: Josephは学位論文を書いている。<進行>
  これに対して、もう一つの解釈も、容易にお分かりでしょうか。もう一つの解釈であるBを考える上で、次のXとYを考えてみましょう。
X: It will rain this afternoon.
Y: It is raining this afternoon.
Xは、未来形で、予定は未定でもないのでしょうけども、今日の午後に、雨でも雨でなくとも差し支えなく、「今日の午後、雨が降るでしょう。」と解釈されますけど、Yは、未来のことにも拘わらず、現在進行形が用いられ、今日の午後に、雨で当然で、雨でないと具合が宜しくなくて、「今日の午後、雨が降ることになります。」と、雨の蓋然性が高いということが含意されます。Xが<未来>なら、Yは<近未来>です。(12)のもう一つの解釈は、B<近未来>と考えられます。
B: Josephは学位論文を書くことになる。<近未来>
  現在分詞が使われる進行形に、A<進行>ばかりでなくB<近未来>の解釈もあることは、すぐにご理解できますでしょうか。現在分詞の進行形に『未完了』という意味が通低していると考えますと、B<近未来>もA<進行>と同類と理解し易いでしょう。では、過去分詞の完了形に通低するのはどんな意味『?』でしょうか、稿を改めなければなりません。
  次回は、次の(13)で、両義性に構文が関連することを、念頭にお考え下さい。
(13)The statesman has plans to leave.

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