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受験英語で花形構文は、実はit強調構文

Posted on 2010年12月1日

 今回の(19)The minister didn’t talk until noon.は、aの対応するit強調構文の方が、受験英語なりには、よく登場するでしょうか。
a. It was not until noon that the minister talked.
受験英語に従えば、即ち、「not とthatの間のものが指す時になったはじめて、that以下になる」という「公式」から、aの方は、次のAの解釈になります。
A: 大臣は正午に話し始めた。
「大臣は正午まで話さなかった」から、意味的に同義で、Aの解釈になるのです。
 では、両義性の他方は、何なのでしょうか。今度は、「大臣は正午になって話さなくなった」という意味で、Bの解釈が考えられるのです
B: 大臣は正午前に話をやめた。
Aでは、until noonが否定辞notの内側にあるのに対して、Bでは、逆に、until noonが否定辞notの外側にあると考えられます。
 ただし、この(19)は、これまでの18個と異なり、Bの方の解釈が可能なのか、勢い、両義性が成り立つのかと、疑問が呈されたことがあります。私見では、AばかりでなくBの解釈も、可能性possibilityがあるものの、Aに比べBの方が蓋然性probabilityが高くないのでしょう。
 次回は、次の(20)で、今回以上に異論の余地が大きく、両義性と併せてご考察下さいますよう。
(20)I cannot do anything.

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