日本語は悪魔の言葉か?(4)の3
Posted on 2014年9月23日
8.21世紀に開かれた漢字、日本語
1)パソコン・ケータイの発達と漢字
世の中のIT化によってますます漢字・カナの利点がはっきしてきた。画面における視認性に優れ、意味の差が瞬時にわかり、多くの単語が漢字2字で済み、便利、正確、誤りの少なさなど利点が多い。今後の発展が大いに期待される。
2)繊細な文化の創造
もともとの中国の漢語は、断言言語、政治言語、男性の言語といった性格を持っていたが、日本の仮名の発明がこれを変えた。
「かな」は女手と言われ、平安時代に女性が世に出るに手を貸し、繊細な、美しい芸術・文化の形成に役立ち、世界が注目する作品を作り上げた。また「カナ」は明治以降翻訳紹介に大いに手を貸し、世界に目を開かせてくれた。
3)ルビの復活・活用
ちゃんと書けなければならない文字と読めればよい文字を意識的に分け、認識できればよい単語は大いに増やした方がよい。そのためにはルビの活用をぜひ勧めたい。小学校の教科書も漫画本のようにルビをふるべきだ。その綴りが頭をかすめるだけの単語を増やすことによって豊かな語彙を頭脳に貯えれば、少々英語力が劣っていても世界に出て、立派に仕事をしていけると私は思っている。
「ハカル」は「測る、計る、図り、諮る、量る、謀る、…」といったように、当てることのできる漢字がたくさんあるからと言って、やりすぎは良くない。ほどほどにしたい。
以上述べてきたように、漢字によって日本語の語彙面は豊かになり、本来の日本語とはすっかり違ったものになった。訓読みも発展し、今では日本語と漢字は切っても切れない関係になり、漢字によって日本語の未来は限りなく広く開かれていると言える。われわれは、漢字の利点を大いに活用して、生きていきたいと思う。
(つづく)