言語情報ブログ 語学教育を考える

試行原稿の交換(1985年7月-1986年6月)―(49)研究プロジェクトの組み方(1)英語総合教材作成プロジェクト

Posted on 2010年3月19日

委員各自が提案している大枠(目次)の1章を選んで,試行原稿を書いてもらい,みんなで検討した。気軽に原稿を書き,それを全員で批判し,手直しする,このような気軽に意見交換できる雰囲気が出来上がっていった。

よくないとの見解が出た原稿は遠慮なくボツにした。例えば,「前置詞」についての最初の原稿は,意味・用法が単独で試されるような用例と解説で,やや暗記中心の,予備校のテキスト的だとされて外され,別の人に改めて書いてもらった。が,今度は語法に詳しすぎて,学生に荷が重すぎるとしてこれもボツになった。話し合いの結果,Communicative Grammar に基づいて,ひとつの前置詞の意味・用法の全体を体系的に,応用のきくように記述する。できれば多くの前置詞をグループ分けし,大雑把な体系を学生が頭の中に描けるようなものにしようとなった。

このように試行原稿でもまれて,全委員のテキストに対するイメージが収斂し始めた。同時に発言せずに抜けていく人も出てきた。試行原稿に約1年かけた。

★原稿は(仕事の1つ1つは)遠慮なくボツにする,やり直す。が,本そのものは(仕事そのものは)決して捨てない★
(村田 年)

Comments (0) Trackbacks (0)

Sorry, the comment form is closed at this time.

Trackbacks are disabled.