生徒の「際立つ勉強離れ」は止められるか 3.幼稚園における一斉学習
Posted on 2009年10月28日
3月号の『英語教育』誌を見ると,Amy Chavez さんが興味深いことを書いています。チャベズさんはある小学校で英語を教えているのですが,3月から4月は日本人の格式ばった行事好き(formalities)の洪水に見舞われるという。
卒業式,入学式,退職送別会などであるが,幼稚園でもちゃんとした卒園式があり,園児たちはきちんと整列し,行進し,着席する。来賓が重々しく封書を取り出して,挨拶を読み上げる。園長先生も「オタマジャクシを捕まえたらすぐに放してやりなさいよ!」といったお話ではなくて,「この幼稚園で学んだことを決して忘れないで下さい!」といった講話をなさる。卒園児は在園児に向かって一斉にさよならスピーチを大声で唱和し,続いて在園児が一糸乱れず大声で応える。(まるで父兄席のお母さんからリモコンで操作されているみたいに見えるという。)
このきちんとする,一斉に大声で唱和するというやり方があまりにも英米の文化と異なっていて,チャベズさんはたいへんに気になるようです。普段の授業でも園児たちはGood Morning! から始まってすべて,大声で一斉に答える,これが不思議でならないようです。
きちんと,一斉に,真面目に,答えはみな同じ,この日本の文化的傾向には大きな問題があるかも知れません。
(村田 年)