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日本の小学校教育(「文化の相違」の問題の深さを認識し,問題追及型学習への地道な努力を傾けたい)

Posted on 2009年12月4日

日本の小学校教育は全人教育を目指していました。学校の目標は「元気で遊ぶ」「協力し合う」「思いやりのある子」などであり,日直や当番制があり,毎日のように反省会がありました。
ホームルームを大事にし,「男子が掃除しなくて困る」といった問題を子供たちに解決させました。しつけも相当程度まで学校でなされていました。習熟度別クラス編成でなく,相当人数が
多くてもそれこそが社会教育なのだと考えてきました。これはアメリカの研究者の大きな称賛を受けていたそうです。(土居健郎,キャサリン・ルイスほか『甘えと教育と日本文化』PHP, 2005)

それが昨今の「学力国際比較」「全国統一学力テスト」などによって大阪府のような習熟度別クラス編成,テストに向けての強化学習が行われ,小学校教育の良さをダメにしつつあります。
中学・高校のような受験体制に向かうより従来の小学校教育の方が問題追及学習や人間教育に合っていると言えるでしょう。
国内の学力比較がやかましく言われる今の状況は,悪い方向へ向かっているとの見方もできるでしょう。
(村田 年)

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