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授業は楽しく,わかりやすく―湯川秀樹に学ぶ(2)

Posted on 2010年2月16日

*昭和10年当時,日本の大学・高校・中学では,先生は偉く,学科の内容も謹んでうけたまわるべきものであった。深遠で,なんだかわからないところに価値があり,つまらぬ質問など受けつけないところがあった。ところが,招聘したヨーロッパからの一流の理論物理学者はスライドを使ったり,実物を持ってきて,目の前で実演し,楽しくわからせようと努めた。また話の途中でも質問を認めた。愚問であってもにこやかに歓迎された。学生たちには大きな驚きであった。

*講義,講演は聞ける限り聞く。湯川は数学の講義は聞ける限り聞いた。講師になってからも高木貞治の講義などを聴講している。
*本は薄くて,美しいのがいい。厚い本はなかなか買う気にもならず,読むのもたいへんなので,薄い方がよい。また,美しい装丁の本は読みたくなるし,大事にしている。
*先生にアジられると夢中になる。先生が自身の研究を,現在の学会の中心課題を高揚して学生に話すのはよい。先生にあおられると,ついつい学生も燃えてくる。

★授業はわかりやすく,楽しく★
★講義・講演は聞ける限り聞く★
★本は,もちろん内容だが,薄くて美しいのが良い★
★学生はアジられると,困難に立ち向かう気になる★
(村田 年)

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