言語情報ブログ 語学教育を考える

1.旧版の「JACET4000」

Posted on 2010年3月31日

JACETがこのような,日本人として習得すべき「英語の単語リスト」を出したのは,今から30年ほど前の1981年であった。「JACET基本語第1次案」として,一般の大学生が習得すべき約4000語が掲載されていた。

私は1会員としてこの表を見て,たいへんに興味を持った。この4000語の単語リストを,旺文社の『豆単』や『でる単』,『全英連高校基本英単語集』,あるいは各種英和辞典の「重要基本語」と1語ずつ突き合わせてみると,「JACET4000」の新鮮さは目を見張るばかりであった。

さっそく比較対照のレポートを持って,編集母体の「JACET教材研究委員会」に入れていただいた。そこで清川英男先生(和洋女子大学)から,語彙リストの見方,語彙リストの作り方の手ほどきを受け,先生の知識のすべてを吸収しようと努めた。その結果,私の頭の中で3000語,4000語のいろいろな語彙表が生きてぶつかり,つながるようになり,たちまちにしてこの分野が私の専門のひとつになった感があった。

改訂された「JACET基本語第2次案」(1983)は広く世の中に受け入れられ,大学や高校の先生方に広く用いられ,大学入試問題の語彙の検定にも使われた。また,英語教育,応用言語学の研究の語彙検定にも,いずれの語彙表よりも多く用いられた。
(村田 年)

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