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マッカーサーの愛誦詩「青春」:「青春」の解説

Posted on 2010年5月18日

「青春」の解説
まず,青春とは人生のある時期を言うのではなく,心の様相,心のあり方を言う(it is a state of mind)と言いきっている。シニアは喜ぶ。青春とは20代とか30代とかではなくて,心の持ちようで,60代でも70代でも青春であり得るのだから。若い人には反省の機会を与えるであろう。

年を重ねただけでは人は老いない(Nobody grows old by merely living a number of years)。理想を失うときに初めて老いが来る(people grow old only by deserting their ideals)。人をいつまでも若く保つのは,想像力,意思,情熱,勇気,理想などであると言っている。

歳月は皮膚のしわを増すが,情熱を失う時に精神はしぼむ(years wrinkle the skin, but to give up enthusiasm wrinkles the soul)。心配,疑い,自己不信,恐怖,失望などが人を老いさせる。

年は70であろうと,16であろうと,驚異に惹かれる心(love of wonder),子供のようなあくなき探究心(unfailing childlike appetite),人生への興味と歓喜(joy and game of life)がある限り,人は若い。

次の3行は最も有名で,多くの人が覚えていて,暗誦できる。
  人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる、
  人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる、
  希望ある限り若く  失望と共に老い朽ちる。
  You are as young as your faith, as old as your doubt;
  as young as your self-confidence, as old as your fear,
  as young as your hope, as old as your despair.

会社の研修会でばかりか,毎日の朝礼で暗誦させられた人も多かろう。敗戦後の経済復興に力を貸したとして,盛田昭夫氏を中心に浄財を集めて,ウルマンの生家を買い取り,記念館としたのも理解できなくはない。しかし,実はこの3行はオリジナルにはなくて,かなり早い時期にどなたかによって加えられたものだ。

人は,美,歓喜,勇気,大地の力からのメッセージを受け入れる限り若く,悲嘆と皮肉で覆われるようなら,年寄りとなり,神に召されるほかはない,と結ぶ。
(村田 年)

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