言語情報ブログ 語学教育を考える

では,どうしたらよい先生が集まり,定着するか

Posted on 2010年9月18日

1.はじめに
前回も書いたが,先生は病んでいる。ある調査では,健康不調を訴える先生は45.6%で,全職業平均15.7%の中で飛びぬけている。窮した東京都では「こころに風を入れる七つのポイント」という文書を教員に配っている。そのうちの4項目を示すと,

  1,まず深呼吸,好きな風景・写真を見つめ一分間
  2.何事も,結論急がず「いい加減」
  6.自信なければ相談窓口へ連絡を
  7.早めに受診,上手に処方薬
こんなことで済むはずはないと思いますが。

昨年,今年と教員志望者は増えている。これは教員の職としての魅力が回復したわけではない。不景気でどうしても会社に入れないのだ。しょうがない,教員試験でも受けてみるか,といった「でもしか」先生だ。半年以内にやめる教員は,今後さらに増えることであろう。

新聞報道によれば,ひきこもりは70万人,予備軍は155万人だとのこと。小中学校の不登校も,必ずしも病気で引きこもっているわけではなくて,にこにこと出歩いて,サッカーや野球もする。図書館に行って本を借りてくる。教科書の勉強はちゃんとやっている。そんな子も多い。学校だけは行きたくない。学校,クラス,先生に魅力を感じないのだ。日本の教育制度そのものに反発しているとも考えられる。

前回,東京都で中途退職の教師の多いことを述べたが,朝日新聞によれば,全国では中途退職の教師は年平均12,000人を超えるという。これは現場の教師たちが精神的にのっぴきならない所に追い込まれている実態を反映する数字だと説明している。

いろいろな仕事が多過ぎて,授業に割ける時間が20数%では何のために教師をしているかわからないと言って,ベテランの40代,50代の教員が,特に女性教員が次々と辞めている。
(村田 年)

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