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主を教えず、従のみ教えると、…

Posted on 2010年9月13日

 (7)The scholar has a number of followers.は、中学校(2年生)では習わないにしても、Tom has a number of friends.「Tomには、多くの友だちがいる。」のような文が中学校(2年生)の教科書に載っていて、a number of 「多くの」というイディオムとしても扱われていたりします。
  辞書でa number ofを引きますと、A:severalとB:manyと言い換えられており、(7)The scholar has a number of followers.の両義性は、次の通りになります。
A: その学者には、数人[若干]の弟子がいる。
B: その学者には、多数[相当]の弟子がいる。
中学校(2年生)で習っているBが、すぐにわかって、これに対して、中学校(2年生)で習っていないAが、すぐにはわからない、というのが実態です。
  辞書では、AがBより先に記載されていることが多いように、a number ofの意味としては、A:severalが主で、B:manyが従と考えられ、Bの場合、より明示的には、“The scholar has a large/great/good number of followers.”のように、numberが「多い」を表す形容詞で限定されるのです。(7)The scholar has a number of followers.を解釈する場合、“The scholar has a large/great/good number of followers.”ではないことから、まず、主のAで解釈し、これが適わない場合に、“The scholar has a large/great/good number of followers.”ではないにしても、(7)The scholar has a number of followers.が、従のBと解釈されてししかるべきでしょう。
  (7)の教訓は、主を教えす、従のみを教えると、正しくない解釈が正しい解釈を上回ってしまうことでしょうか。

  次回は、次の(8)で、両義的な箇所をお考えの上、解釈をお試み下さい。
(8)Taro washed his car, and Hanako did, too.

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