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副詞の解釈が両義性に関わります

Posted on 2010年9月27日

  (9)A drunken man clumsily dropped his purse.において、副詞の解釈が両義性に関わります。clumsily「ぶざまに(も)」が、何を修飾するかが、決定的なのです。
  まず、典型的に、副詞は、A:動詞(句)を修飾し、副詞clumsily「ぶざまに(も)」が動詞句dropped his purseを限定します。考え易いと言いますか、考え難いと言いますか、主語a drunken manが、clumsily「ぶざまに」dropped his purseしたということで、dropped his purseに、「ぶざまに」対「ぶざまにではなく」という対立があって、「ぶざまにではなく」というより「ぶざまに」と限定されているのです。
  これに対して、場合によっては、副詞が、B:文全体を修飾し、clumsily「ぶざまに(も)」が文全体B drunken man dropped his purse.を限定します。こちらの解釈では、clumsilyが、dropped his purseを、「ぶざまに」であれ、「ぶざまにではなく」であれ、修飾し、副詞clumsilyが動詞句dropped his purseをどのように限定するかは、問題外で、動詞句dropped his purseが副詞clumsilyに直結するのです。
  両義性は、次のように、まとめられます。
A: 酔っぱらいはぶざまに財布を落とした。
B: ぶざまにも、酔っぱらいは財布を落とした。
  それにしても、Aに該当する方は、ご自分を「酔ってない」をおっしゃらないでしょうか、また、酔ってない方々が、Bを発するのでしょうか?

  次回は、(10)で、(4)Each of my sisters loves a man from Texas.より、抽象的です。
(10)Every student is fond of some professor.

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