言語情報ブログ 語学教育を考える

浅野式辞典:「ぞうはんぎいん」(造反議員)

Posted on 2006年12月8日

「造反」は「造ったものをひっくり返すこと」。それは自分の政策でも信念でもよいわけで、簡単にひっくり返してしまう議員のこと。中国の文化大革命時代には、「造反有理」と言われたが、「造反無理」のほうが日本では似合う。

★★浅野式「でたらめ現代用語辞典」Asano’s Japanese Dictionary of Current Words and Phrases Flippantly Defined in Disorderly Order★★

浅野式辞典:「せいじてきけっちゃく」(政治的決着)

Posted on 2006年12月7日

 責任回避のためにできるだけ譲歩して、問題を解決すること。「今度の試験が70点以上でなければお小遣いをあげない」と言っていた親が、試験の前の晩に夫婦喧嘩をした。子どもに「うるさくて勉強できなかった」と言われて、「それでは50 点にまけてあげる」と譲歩したという例がある。

★★浅野式「でたらめ現代用語辞典」Asano’s Japanese Dictionary of Current Words and Phrases Flippantly Defined in Disorderly Order★★

浅野:英語教育批評:指導技術のこと——今日的課題

Posted on 2006年12月4日

 日英比較文化研究学会の Newsletter No. 9 には、竹前文夫氏(目白大学)の「英語の授業に思考改善の試みを」という巻頭エッセーがあって、Tannen, D.:The Argument Culture (議論文化)という本があることを知った。それで英文の書評をインターネットでいくつか読んでみた。中には「国会議員全員に送りつけたい本だ」というのもあった。アメリカ人の議論のあり方は、政治問題でもあるのだ。
 竹前氏も「ディベートの合衆国での行き過ぎを戒めている本」と紹介している。そして氏の日本の教室への提案は、(1)ディベートの背後にあるクリティカル・シンキングをそのまま導入するな、(2)学生にはそういう用語は使わずに、工夫された教材を使ってうまくドリルせよ、ということにある。
 実は、鈴木健・大井恭子・竹前文夫編著『クリティカル・シンキングと教育——日本の教育を再構築する』(世界思想社、2006)を大井氏から寄贈してもらっていたので、竹前氏の主張もよりよくわかる気がしている。指導技術というのは、理屈通りにはいかないので、いろいろ考え、改善していく努力が必要で、他人の真似をするだけではダメなのだ。
 ところで、ディベートの是非などは、日本では相当高度な問題で、一般には、国会の討議を含めて議論にもなっていないことが多い。インターネットの書き込みなどを見ても、ただ不満をぶつけているだけで、論理性など少しもないものが少なくない。もっとも、イライラしていたというだけで、放火や殺人をする人間がいる時代だから、ネットに勝手なことを書き込むくらいはまだましだと考えるべきなのかも知れない。でも、困った状況だ。  
(浅 野 博)

浅野:英語教育批評:「話すこと」の訓練——温故知新の巻

Posted on 2006年11月27日

 コミュニケーション重視で、中・高の英語では「会話練習」が盛んだが、これには厳しい批判もある。齋藤孝・斉藤兆史『日本語力と英語力』(中公新書、2004)はその代表だ。中・高では「基礎を踏まえた厳しいトレーニングの延長線上に、はじめて楽になる一瞬は訪れるという上達の法則」を教えろと主張する。問題は生徒の意欲であろう。「買い物ごっこ」には喜々として興じる生徒も、「厳しい基礎訓練」だと脱落することが多い。
 私が50年前に、フルブライト教員プログラムに合格した時は、東京地区では夜間に十数回のオリエンテーションを行ってくれた。その時のテキストは、A. B .Howes & M.M. Smythe:Intensive English Conversation, Vol.Ⅰ(開隆堂、1953)だったが、非常に変わった会話書で、会話文は一切なく、各課2ページくらいの本文は、アメリカにいる日本人学生が、日本の友人に宛てたイディオムの豊富な手紙文になっている。トピックは当時の日本人に珍しいアメリカの風物が中心で、その手紙文についての英語の質問が10問ほどついている。アメリカ人の講師は、その質問を中心に受講生と“会話”をしてくれた。本文の3倍くらいの部分がすべて英文で、発音、文法、イディオム、会話などに関する解説や注意である。B6版 80ページほどの小冊子で、写真も挿絵もないが、内容の濃いものだった。出発直前で動機付けは十分だったし、この訓練は実際にアメリカでは役だったという実感がある。
 今日の中学用検定教科書は、すぐにアメリカや英国へ行くという生徒には役立つかもしれない。もっとも、視点が英米以外へも向いているから一概には言えない。日本の英語教育はどこへ向うのであろうか。 
(浅 野 博)

浅野式辞典:「だんごうじけん」(談合事件)

Posted on 2006年11月27日

 聞き方によっては「だんご事件」と聞こえる。関係がないことではなく、桃太郎の家来みたいに、「きびだんご」1つくらいをもらって、鬼退治どころか不正入札を支援する首長や役人がいるのだ。中には兄弟で捕まった者もいて、これからは「だんご3兄弟」も出現するであろう。

★★浅野式「でたらめ現代用語辞典」Asano’s Japanese Dictionary of Current Words and Phrases Flippantly Defined in Disorderly Order★★