言語情報ブログ 語学教育を考える

浅野式辞典:「たいまおせん」(大麻汚染)

Posted on 2008年11月20日

21世紀前半の定義:学生、芸能人、スポーツ選手などが、大麻の魅力に捉われて、その栽培や吸引が蔓延している様子。
21世紀後半の定義:大気の汚染が進んで、育てていた大麻が枯れ始める現象。その結果、大麻を吸おうとする人間も朦朧として吸う必要がなくなっている。

★★浅野式「でたらめ現代用語辞典」Asano’s Japanese Dictionary of Current Word★★

浅野:英語教育批評:英語教育の効果を上げる方法とは?(その1)

Posted on 2008年11月18日

 この問いの答が1つということはあり得ないであろう。「基礎力をつけろ」には賛同する者が多いが、「基礎力とは何か」という問題が生じる。「文法をしっかり教えろ」と言えば、「英米語だけを基準にするのか」と問われる。「読解力をつけろ」には、「この国際化の時代に読む力だけでよいのか」と反発される。挙句の果ては、「帝国主義の言語を学ぶ必要がどこにある」とまで言われる。つまり悪い意味の「禅問答」になってしまって、結論が出ないのだ。こういう混沌とした状況が、学校の英語教育の効果を低くしている大きな原因である。日本人はこういう曖昧で、混沌とした状況をむしろ好むようだ。つまり理論的に問い詰めて結論を出すことが不得意でもあり、嫌いでもあるのだ。
 「英語を学ばせたい」と言うなら、もっと単純に割り切るよりないであろう。高校1年生には「ではオバマ新大統領のような英語を目標にしよう」「目標にするのはよいですが、ちょっと高すぎます」「それなら、基礎的な英文を読んでみよう」と誘導したい。
 私は前回のブログで茅ヶ崎方式のテキストについて、「英語学習の初歩的教材の在り方にも示唆することが少なくないと思う」と書いた。1つ見本を示そう。

Okamoto Taro is a master of abstract art.
He studied art in Paris for nine years and
was interested in Picasso’s paintings.
Okamoto’s works are full of bright colors.
His best-known work is the Tower of the Sun,
the symbol of the Osaka Expo in 1970.
The 70-meter-tall white tower has three
faces: golden, white and black. He often said,
“Be free from traditional rules.” and
“Express yourself freely.”
 
 この英文教材については次回に考察する。
(浅 野 博)

浅野式辞典:「いっきいちゆう」(一喜一憂)

Posted on 2008年11月11日

 首相が「株価の上下には一喜一憂しない」と言ったので、この熟語の意味を漢字を見せずに高校生に問うたところが;
A:一気飲みをする友人は一人しかいない。[そんな友人はいなくていいよ。]
B:一生で一度しか会えない人。[一期一会と混同してないか。]
C:ひとりで喜んでいる友だち。[泣いてるよりいいんじゃないの。]

★★浅野式「でたらめ現代用語辞典」Asano's Japanese Dictionary of Current Word★★

浅野:英語教育批評:「英語のやり直し」のこと

Posted on 2008年11月5日

 就職をしてから「英語をもっと勉強しておけばよかった」と言うのは昔からあったことだ。今日でも「再学習」を希望する人が多いのは英語であろう。IT 関係の知識や技術は大学で習ったことなど役に立たないが、「数学的な考え方」とか「物理的なものの見方」などが身についている人とそうでない人とでは学習効果に大きな差ができる。やはり基礎がものを言うのだ。英語の再学習について既刊の書物から問題点を探ってみよう。
(1)矢野安剛『やり直しの英語上達法』(NHKブックス、1992)
この書物はまず英語学習の心構えを説いている。いずれも大事な指摘だ。例えば、「英語上達の三悪人」という章では、「完璧主義」「自意識過剰」「英米人コンプレックス」を三悪として、その対処法を説いている。しかし、「間違いを恐れずに話せ」などは、教室では言われても、入試対策としては排除されるし、「文法をきちんと学んで、正しい英語を使わせるべきだ」との見解もある。学習者としては、迷うばかりだ。そういう矛盾にもメスをいれてほしい。
(2)岡本行正『子供たたちに英語の原書まで—公文式英語教育の方法』(くもん出版、1992)
 公文式は数学教育で知られたが、その方法論には賛否両論がある。しかし、基礎的なことから積み上げる指導方法には学ぶべきことがある。今日のように「英語を話せるように」という声が大きい中では、「子どもが原書まで読める」というのは考えてよいことだ。もちろん文法だけ、読むことだけといった片寄りのある主張ではない。特に小学校、中学校の英語教員に読んでもらって、教え方の反省に役立ててもらいたい。
(3)茅ヶ崎式英語会『0からのスタート 再学習の英語(前篇)』(茅ヶ崎出版、2008)
 茅ヶ崎方式で知られる著者たち5人による教材である。岡本太郎、本田宗一郎、手塚治虫などの有名人を英語で紹介するのに何をどう言えばよいかの見本を示し、練習問題や発音と構文の解説などから成っている。英文は中学3年生程度なので、再学習する社会人にもとっつきやすい。英語学習の初歩的教材の在り方にも示唆することが少なくないと思う。
(浅 野 博)

浅野式辞典:「ともだおれ」(共倒れ)

Posted on 2008年10月31日

やく・みつるの風刺漫画に、ブッシュの言うがままの麻生首相が「くいだおれ太郎」の格好をして、「ともだおれ太郎」と命名されていた。そこで「ともだおれ」の新解釈2つ:
(1)「友よ、倒れろ」のななまったもの。
(2)「友だ、おれ(は)」という自己主張。

★★浅野式「でたらめ現代用語辞典」Asano's Japanese Dictionary of Current Word★★