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親のやるべきこと(「文化の相違」の問題の深さを認識し,問題追及型学習への地道な努力を傾けたい)

Posted on 2009年12月2日

同じアンケート調査によると,日米における高校生の「徳性」に大きな差があるようです。

例えば,「次の事柄について母親から影響を受けたか」について
1.自分の責任を果たす(日32.3%,米75.7%)
2.自分が損をしても正しいことをする(日24.3%,米68.0%)
この調査を見ると,アメリカの高校生はほぼ全項目にわたって,母親から,また父親から道徳的な影響を強く受けていると答えています。また,
3.親に反抗すること ― 本人の自由でしてよい(日84.7%,16.1%)

このように日本の高校生は多くの項目において「本人の勝手でしょ」といった傾向が強く,親の子に対する躾が読み取れません。アメリカでは,日曜日に教会に行くという習慣が相当崩れてしまった親子であっても宗教的な締め付けはきついようです。子の行いは親の責任と強く意識しているようですね。

日本の場合は,宗教的な歯止めはなく,親の権威は地に落ち,子供を躾けることはできなくなっています。日本の文化が「やさしさ,おもいやり」「他との調和」などを大事にしていて,きつく子供を躾けることができなくなってしまったのでしょう。しかし,道徳でもなんでもすべて学校に任せる,ではだめですね。親が子供のことは責任を持ってやらないといけないでしょう。

(アンケート調査の数字自体にも問題はないわけではありません。日本の高校生は恥ずかしがって,「正直であれ」との躾を父母からよく受けた,などと答えることができないといった面も確かにあります。が,それを差し引いても「躾のなさ」は目立ちます。)
(村田 年)

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