(8)悩む,迷う(『湯川秀樹日記』を読む ― ノーベル賞論文の発表と執筆の頃)
Posted on 2009年12月19日
*6月2日 「午後コロキウム,湯川,ニュートリノ」
ここで湯川は,フェルミの一連のベータ崩壊の理論を解説・検討し,自説の新たな粒子導入の可能性を説いたのではないかと思われる。
湯川と同じく新粒子導入の論文がロシアの研究者から発表された。しかし,結論は否定的なものであった。湯川はこれによってかえって元気を得て,新たな目が開かれた。
それからも考えては行き詰まる,また考える. . . これを繰り返して数ヶ月が過ぎ,10月になってしまった。また先を越されてはという恐怖に悩まされるが,どうしようもない。
(村田 年)