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(13)論文に仕上げ投稿するが,反応はない(『湯川秀樹日記』を読む ― ノーベル賞論文の発表と執筆の頃)

Posted on 2009年12月24日

口頭発表の話ことばの原稿と英文原稿を同時進行で書いていたようだ。11月30日にはタイプライターで打ち始め,タイプはあまり上手ではないらしく,毎日暇を見つけては打ち続ける。推察するに論文審査は手書き原稿で受けたようだ。12月8日にタイプで打った原稿を学会に送っている。タイトルはOn the Interaction of Elementary Particles I(素粒子の相互作用についてI )1月14日に初校を送り返し,21日に再考を航空便で学会(東大)へ送り返している。

*2月5日 「別刷来る。教室内の人々に寄贈。」
1935年2月5日に論文の別刷が届き,阪大の物理学教室のみなさんに配り,ついで京都大学のみなさんに配り,海外の同学のひとりひとりに航空便で送ったことと推察される。世界のトップレベルの研究者の賛同は得られず,ほとんど反応はなかったという。
★この論文が湯川の初めての論文であり,ノーベル賞受賞につながる中間子論第1論文である。
(村田 年)

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