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部屋のドアーを開けておく―湯川秀樹に学ぶ(1)

Posted on 2010年2月6日

*各部屋,研究室のドアーを開け放しておく。そうすれば,いつでも,だれでも入ってきて,話しかける,またはすでに始まっている議論に口を挟むことができる。

*これは理研で始まって → 湯川の阪大 → 京都大 → 坂田の名古屋大,朝永の文理大など,理論物理の世界に広まっていった。

*東大の学生・院生も理研でこのようなフランクな付き合いの恩恵に浴して伸びていった。

*毎日研究室に出る。これが大事。だれかが話している。それに加わる。そこからアイディアが起る。自分が何らかのアイディアを掴んだと思ったら,さっそくだれかにぶつけてみる。いっしょに黒板で計算する。益川などはひとに議論を吹き掛ける,人の話し合いに 無理やり割って入るために大学へ出てきているようなところがあった。「いちゃもんの益川」と言われた。

*東大には「素粒子物理学」の講座はなかったので,みんな独学であった。学生・院生たちは理研の仁科・朝永のところに来てはくつろいで,議論に加わることができた。東大では先生の研究室を訪ねることはそう気軽にはできなかった。理研では,どの部屋もドアーが開け放されていて,だれでもどこの大学の人でも自由に入れる雰囲気があった。学閥もなければ,先輩に対してことばに特に気をつけることもなかった。夕方からの会食も頻繁に行われ,湯川も京都から理研にまめに通っていた。

★部屋のドアーを開けておいて,学生・生徒・同僚が気軽の入ってきて,話しかけられるようにしたいですね★

★研究者の上下関係,学閥の撤廃に関しての理研の役割は大きかった。理研のおかげで,物理学はもっとも開かれた研究分野になり得たのですね★
(村田 年)

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