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名詞・不定詞連続の両義性

Posted on 2010年10月19日

(13)The statesman has plans to leave.において、plansという名詞とto leaveという不定詞の連続に、両義性が秘められています。名詞plansは、「計画」なり、「案」なり、よく用いられる意味です。
やや複雑なのが、不定詞to leave中の動詞leaveの意味で、(1)Flying planes can be dangerous.が、A:飛んでいる[自動詞]飛行機は、危険性があると、B:飛行機を飛ばす[他動詞]ことは、危険性があるとが、思い出されるように、leaveも自動詞と他動詞の両方が、よく用いられます。まず、自動詞で代表的なのが、「出発する」転じて「立ち去る」の意味で、例えば、They left Japan for Korea.「彼(女)らは、韓国に向かい、日本を立ち去った」等々です。そして、代表的な他動詞の意味が、「残す」で、やはり例えば、The politician left no plan.「その政治屋は、何ら案件を残さなかった」等々が、考えられるでしょう。
以上から、(13)The statesman has plans to leave.は、次のように、両義的に解釈されます。
A:その政治家は立ち去るつもりである。
B:その政治家には残しておくべき案がある。
お時間がおありでしたら、politician「政治屋」とstatesman「政治家」との相違もお考え下さい。
 次回は、次の(14)で、この両義性は、最も劇的です。
(14)The boss had his bag stolen.

(12)のもう一つの解釈は、B<近未来>と考えられます。
B: Josephは学位論文を書くことになる。<近未来>
  現在分詞が使われる進行形に、A<進行>ばかりでなくB<近未来>の解釈もあることは、すぐにご理解できますでしょうか。現在分詞の進行形に『未完了』という意味が通低していると考えますと、B<近未来>もA<進行>と同類と理解し易いでしょう。では、過去分詞の完了形に通低するのはどんな意味『?』でしょうか、稿を改めなければなりません。
  次回は、次の(13)で、両義性に構文が関連することを、念頭にお考え下さい。
(13)The statesman has plans to leave.

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