「誤りありますか、解釈するか、訂正するか」③
(3) The pupil’s picture was very beautiful.(誤りがあれば、訂正しなさい)
この問題は、wasをisに交換すると、中学1年生でもできそうで、ほとんど難しくはないでしょう。つまり、③が、解答なのです。
③ 誤りなし、 その生徒の絵は大変美しかった。
強いて、容易ではない点は、the pupil’s pictureでも「その生徒の絵」でも、the pupilその生徒とpicture絵との関係で、the picture the student painted「その生徒が描いた絵」なり、the picture the student possessed「その生徒が所有する絵」なりで、両(多)義的ではあります。
この問題が、相当に英語がおできになる方々でも、容易ではなくなる文脈があることをご存知でしょうか。それは、The my picture was very beautiful.が、サッカーで言えば、イエロー・カードではなく、レッド・カードが2枚位に、宜しくないと教わった直後に起こり易いのです。この英文に対応する和文「その私の絵は大変美しかった」は、全く問題ありませんね、私の大学院の先輩に、お父様が元日本言語学会会長でお母様が高校の国語教師という日本語に厳しい方がおりましたけれども、その方でも「その私の絵は大変美しかった」は日本語として全く問題なしでした。「その私の絵は大変美しかった」の完璧さと、The my picture was very beautiful.の極悪さとの間には何があるのでしょうか。これを習うか習わないか微妙なのですけれども、「冠詞や所有格は、一つの名詞に、一つしか付けられない」という制約が、日本語にはなく、英語にのみ適用されているのです。
では、英語内で、The my picture was very beautiful.の極悪さと、The pupil’s picture was very beautiful.の完璧さとは、どのように説明されるべきなのでしょうか。「冠詞や所有格は、一つの名詞に、一つしか付けられない」という制約が、the my pictureには、theもmyもpictureを限定するために、働きますけれども、the pupil’s pictureでは、theはpupilを限定して、the pupil’s全体でpictureを限定しますから、この制約が働かないのです。
次回は、次の(4)に取り組みましょう。
(4) This pond is deepest at this point. (誤りがあれば、訂正しなさい)