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浅野式現代でたらめ用語辞典(再開その29)

Posted on 2014年2月26日

「一期一会」は、16世紀頃に、茶道から生まれた古い言葉ですが、最近もよく使われます。それだけに、あまり意味を考えずに、自己流に使う人も少なくないようです。

 

知ったかぶり老人:“イチゴイチエ”(苺一枝)か?それはな、苺というものは、ヒトエダ(一枝)に1つしか実がつかんな。そのことを表した言葉じゃよ。うまい苺を食いたいなあ!

 

中学生ギャル:今度の校内マラソンでは、1位になってみせるよ。ずいぶん練習もしたからね。母ちゃんは私のことバカにして、「お前なんか1位になれっこないよ。それよりもっと勉強しなさい」なんて言うんだ。私は来年卒業だし、最後のチャンス、イチゴイチエだから頑張るよ。

 

真面目女子大生:言葉というものは、普及するほどに誤用も多くなりますから用心する必要があります。茶道の利休の弟子が、“一生に一度の機会”という意味で使った言葉とされています。ですから、上の中学生の遣い方も間違いではないでしょう。ただし、学校ではこの言葉の由来や正しい意味を教えて欲しいと思います。ちなみに、NHK ラジオの「深夜便」では、歌手の田川寿美が、2月の歌として「一期一会」という歌を歌っています。(この回終り)

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