言語情報ブログ 語学教育を考える

仕事は予定通りに仕上げる―(49)研究プロジェクトの組み方(1)英語総合教材作成プロジェクト

Posted on 2010年3月25日

仕事は当初の予定通りに仕上げる,これが私の信条なので,この点はいつも念頭を離れることはなかった。
1985.12.1--1986.4.30 原稿執筆
1986.5.13--6.15 編集
   6.15--7.10 ネイテイブ・チェック
7.10--7.31 最終編集。脱稿
   8.15 入稿
   9.1       初校
   10.20 校了
   11.4 完成
委員全員で3回校正し,私はひとりで4回目の校正をした。編集部は7回も校正してくれた。このようにして予定通り11月4日に完成して(実はこの日は私の誕生日),宣伝活動に入った。いっぽう,すでに9月のJACET大会で見本刷りを配って,宣伝活動は開始していた。大きな手応えがあった。

★何事もタイミングが大事,遅れるとせっかくの特徴も歓迎されないことになる★

● English Workshop(教養英語の総合演習 ―構文理解のために―) JACET教材研究委員会編。三修社。1987年2月1日(初版)

従来,「はしがき」は学生諸君に向けて書くはずが,ほとんどの場合,使用する先生に向けて書かれてきた。私たちは「学生諸君へ」というタイトルで,じかに学生のみなさん向けて「はしがき」を書き,先生方には別に書いた。

★はしがき,挨拶はお金を払ってくれる人に,使ってくれる人に向かって書く★

以上,私のやりましたのは切っ掛けを作ったことと,郵便でこまめに,詳細に連絡したこと,5冊の詳しい議事録とファイル1冊を作ったことだけで,教科書の内容は優秀な委員の皆さんのおかげでした。顧問格のO先生,JACETの幹部の先生方の助言やサポートは有難かった。議事録は参考になればと,何年間かJACET事務所に置いておいた。(実はすでに議事録は1冊を残して全部処分してしまったがほとんどは記憶に残っていた。)

★私たちは1円の手当ももらわずに手弁当であったが,印税はJACETの重要な基金となった★
(村田 年)

新しい分野への挑戦―(49)研究プロジェクトの組み方(1)英語総合教材作成プロジェクト

Posted on 2010年3月22日

新旧情報,前提と焦点,視点などでは,ミルワード先生のエッセーもときによっては一部書き換えていただいて,英文分析に,作文にどう応用するかを詳しく,総合的に説くように努めた。イギリス英語とアメリカ英語との対照,ストレスとイントネーションにしても実際に使えるものを心がけた。かなりの冒険ではあったが,新しい試みは広く受け入れられ,好評であった。

★何事も新鮮な,初めての要素がなければ意味がない★
(村田 年)

試行原稿の交換(1985年7月-1986年6月)―(49)研究プロジェクトの組み方(1)英語総合教材作成プロジェクト

Posted on 2010年3月19日

委員各自が提案している大枠(目次)の1章を選んで,試行原稿を書いてもらい,みんなで検討した。気軽に原稿を書き,それを全員で批判し,手直しする,このような気軽に意見交換できる雰囲気が出来上がっていった。

よくないとの見解が出た原稿は遠慮なくボツにした。例えば,「前置詞」についての最初の原稿は,意味・用法が単独で試されるような用例と解説で,やや暗記中心の,予備校のテキスト的だとされて外され,別の人に改めて書いてもらった。が,今度は語法に詳しすぎて,学生に荷が重すぎるとしてこれもボツになった。話し合いの結果,Communicative Grammar に基づいて,ひとつの前置詞の意味・用法の全体を体系的に,応用のきくように記述する。できれば多くの前置詞をグループ分けし,大雑把な体系を学生が頭の中に描けるようなものにしようとなった。

このように試行原稿でもまれて,全委員のテキストに対するイメージが収斂し始めた。同時に発言せずに抜けていく人も出てきた。試行原稿に約1年かけた。

★原稿は(仕事の1つ1つは)遠慮なくボツにする,やり直す。が,本そのものは(仕事そのものは)決して捨てない★
(村田 年)

出版社の決定(1985年11月)―(49)研究プロジェクトの組み方(1)英語総合教材作成プロジェクト

Posted on 2010年3月16日

出版社をどうするかを話し合い,10数社を選び,委員に意見を聞いて,5社に絞り,その5社に面接し,委員の合議で決めることにして,理事会の承認を取った。

5社には詳しい説明書,過去の議事録の要約,総合教材としての大枠,印税の考え方など資料をできる限り前もって送り,1社1時間をかけて面接を行い,出席委員すべてにジャッジ・ペーパーを配り,15項目に点数で採点してもらった。

総合得点でも,その後の委員会での検討においても三修社がもっともプロジェクトに合っているとの判断で,三修社に決めて理事会に報告した。印税は1万部まで10%,それを超える分については13%とした。

★やる気があり,教材への見識・展望のしっかりした出版社をどう選ぶか,よくよく考えた★
(村田 年)

浅野式辞典:「らじこ」(ラジコ)

Posted on 2010年3月16日

「らじこ」(ラジコ)
「テレビっ子」は知られているのに、「ラジオっ子」は無いので民放ラジオが造った用語。えっ!違うの?ラジオにだけ出演する女性タレント、「ラジ子」のことだよね。これも違う?
民放のラジオがインターネットで聞けるシステムだって?そんなのだいぶ前に「ホリエモン」とかと呼ばれた人が、テレビ局の乗っ取りだと騒がれたときに言ってたんじゃないの?