言語情報ブログ 語学教育を考える

浅野式辞典:「だいひょうしつもん」(代表質問)

Posted on 2007年10月18日

 教室で少数の生徒が質問すること。与党的な生徒は点数を稼ごうと「先生の説明はよくわかります」のようなお世辞も言う。野党的な生徒の要求には、「鋭意努力しています」と先生は答える。他の生徒はほとんど聞いていない。

★★浅野式「でたらめ現代用語辞典」Asano’s Japanese Dictionary of Current Words and Phrases Flippantly Defined in Disorderly Order★★

浅野:英語教育批評:「ないものねだり」?

Posted on 2007年10月16日

 「英語教育」11月号(大修館書店)を通読して、「ないものねだり」という言葉が浮かんだ。今回の特集は「映画で英語〜授業で使える映画・教師が楽しめる映画〜」である。各記事はそれぞれ力作だとは思うが、全体的には「欲張りだなあ」という印象を受ける。映画を使って、「文法を教えられる」「シャドーイングをやらせる」「作文練習をする」「ALTとの協同授業を」「異文化理解教育や文学も」などなど。また、「日本人俳優たちの英語」についての指摘や、「多様化した国際英語も学べる」という主張もある。
 一方、「英語教育時評」では、ビリーズ・ブート・キャンプの人気の原因を探り、それは手本が立派だからとして、英語教育では「(手本になるのは)教師の話すカッコよさだろう」とも言う。そうかと思うと、投書欄では、斎藤兆史氏の著作を信奉し、会話ごっこなどではなく、基礎訓練と英文法指導を実践していきたいと願う人の記事がある。
 もう1つ気になるのは、投稿「『名前教育』を意識した英語教育の必要性」である。人名は難しい。私など50年以上教師をしたが、毎年のように新しい名前に出会ってきた。私の名は「あさの」だが、「浅見さん」は「あざみ」だ。「岩川さん」にも「いわかわ」と「いわがわ」と二通りある。英語で書かれた論文の著者名も、最近では英米人でも自信をもって読めないものが増えている。旧友の牧野勤さんは、在米中に「マッカイノウ」と呼ばれたことがあるそうだ。私は初歩の英語学習では簡単なもので済ませるという現在の方針に賛成である。
 内容豊富なこの「英語教育」誌についての私の「ないものねだり」は、「予算」と「版権」に関する記事が欲しいということだ。映画を使うためには、設備に金がかかる。少し触れている記事もあるが、貧弱な教育予算の増額をもっと強く要望したい。版権については、映画英語教育学会が創立以来問題にしているが、教員が無関心になりがちのことだけに重要な問題だと思う。
(浅 野 博)

浅野:英語教育批評:「教える側の論理」の反省

Posted on 2007年10月9日

 「このように教えたら理解できるはずだ」と教えるほうは考える。しかし、「学ぶ側の論理」とは必ずしも一致しないから、授業の効果はなかなか上げにくい。典型的な例を2つ考えて見たい。
(1)語彙指導における思い込み
 特に高校の段階で見られるが、「新語を教える場合は、その派生語、同意語、反意語などを与えると、生徒の語彙力が増加する」と考えて、これを実践する教師がいる。日ごろ自分で辞書を使いながら、大量の英文を読んでいる生徒ならともかく、新語1つさえ覚えられないのに、いくつも与えられては混乱するだけの結果になる。例えば、succeed (成功する)が出てきたら、
「この反対語は fail だぞ、名詞は success だ、形容詞は…」と言われたら、どれも身につかない。こういう場合は、succeed を使った易しい例文を5つくらい与えて暗記させたほうがよい。
 「語彙量を増すには語源の理解が役立つ」という思い込みもある。中には、「私はギリシャ語の素養がありますから、黒板にギリシャ語を書いて教えます」という声も聞いたことがあるが、あまり一般性のある方法とは思えない。
(2)文法事項の指導における思い込み
 不定詞の「名詞用法」「形容詞用法」「副詞用法」は、この順番で、まとめて教えるのがよいという声は中学でもかなり強い。しかし、コミュニケーションの立場から見れば、この3用法は等価値ではない。特に「形容詞用法」は日本語では「…すべき〜」とあまり日常は使わない言い方になることが多いだけにわかりにくい。
a) I have to do a lot of homework.
b) I have a lot of homework to do.
この2文の違いを説明するのはかなり難しい。しかも、ことあるごとに「この不定詞は何用法か」と尋ねる教師も have to do の場合には触れたがらない。生徒の不満は増大する。「文法指導」の重要性が見直されている今、こういう点の反省がないと依然として英語力はつかないであろう。
(浅野 博)

浅野式辞典:「はいすいのじんないかく」(背水の陣内閣)

Posted on 2007年10月5日

高校生A:陣内って、あの美人女優と結婚したタレントだよね。
高校生B:そんなの関係ないよ。「工場廃水のように汚い内閣」のことだよ。
高校生C:「居合い抜き」みたいに大臣の首を切るのは「居抜き内閣」と言うんだってさ。

★★浅野式「でたらめ現代用語辞典」Asano’s Japanese Dictionary of Current Words and Phrases Flippantly Defined in Disorderly Order★★

浅野式辞典:「ちょっきんのみんい」(直近の民意)

Posted on 2007年10月3日

高校球児:やっぱ三振は直球でないと。それでこそ意味がある。
タレント:何だたっけ?あの小泉さんがやったやつ。そうそう。「貯金は民営がいい」ということ。
政治家:英語も日本語も通じないとなるとどう言ったらよいのかね。

★★浅野式「でたらめ現代用語辞典」Asano’s Japanese Dictionary of Current Words and Phrases Flippantly Defined in Disorderly Order★★